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第129話 これは本当に大胆なことだ。

警備員はかなり驚いた。これは社長の名前じゃないか?

気を落として、再び目の前の小さな子供を見て、いくつもの疑問符が頭の中を浮かんだ。

社長の名前をこんなふうに呼んでいるなんて、二人の関係は特別なのかもしれない。

この子供と社長は一体どんな関係だろうか?

心の中に理解できないが、警備員はすぐに言った。「お嬢さん、お待ちください。すぐに連絡しますね」

藍星は従順に頷いた。「はい、ありがとうございます」

警備員は受付へ行き、焦って言った。「社長に急いで連絡をしてください。外にいるお嬢さんが社長を探しています」

その時、朱墨は忙しく仕事に追われていて、焦っていた。

どこかの子供が自分を探しに来たと聞いて不思議に思った。

「一体誰だろうか?」

彼は翔に目をやり、「下に行って確認してきてくれ」と言った。

翔は頷いて言った「はい、社長」

見ない方がいいが、下に行って見てみると、本当にびっくりした。

藍星がロビーのソファに座ってケーキを食べていたのが見えた。

藍星が来たのは、翔も本当に驚いた。

彼は急いで近づいて言った。「藍星さん、どうしてここに? 一人じゃないか?」

彼は驚いただけでなく、異常だと感じた。

ここと幼稚園の距離がかなりあることを考えた。

この子供がここまで来られるなんて、まさに信じられないことだ。

藍星は微笑んで言った。「そうです。一人で来ました。幼稚園から抜け出してきました」

これを聞いて、翔はさらに大変な思いをした。

この子の勇気は本当に大きい!

翔は急いで藍星の手を掴んで、一緒に上の階へ連れて行った。

「わかった、社長のところへ連れて行くよ」

……

昼寝の後、先生が子供たちを起こした。

子供達は教室にいたが、藍星だけがいなかった。

先生は藍星がまだ寝室で寝ているのだと思っていて、呼びに行こうとしたが、探しても見つからなかったので、やっと気づいた。

藍星がいなくなった!

先生はすぐに保護者に電話をかけた。

一清は気が動転していたところ、先生から電話がかかってきた。

「先生、どうしたんですか?」

先生の声にはうめき声が混じっていた。「一清さん、藍星がいなくなりました」

一瞬にして、一清はソファから立ち上がった。指先が冷たくなり、まるで落雷を喰らったように、取り乱してしまった。

「何、何て?

先生
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